一般廃棄物とは?産業廃棄物との違い
どうも、産廃太郎です。
今回は「廃棄物の定義」にもキーワードとして出てきた「産業廃棄物」と「一般廃棄物」について説明します。
一般廃棄物の定義
総合的に判断して有価物にならないものは廃棄物に該当すると前回説明しました。その廃棄物は大きく「産業廃棄物」と「一般廃棄物」に分類されます。産廃というのは一般の方でも聞き馴染みのある言葉かと思いますが、一般廃棄物とは何なのでしょうか。
今回も日本の法令である廃棄物処理法を確認します
第二条
(中略)
2 この法律において「一般廃棄物」とは、産業廃棄物以外の廃棄物をいう。
「なるほど!一般廃棄物は産業廃棄物以外のものを言うんですね!解決しました!ありがとうございます!おつかれさまでした〜」
・・・これで理解できたら、苦労しませんよねw簡単な図解があるので、まずはそれを確認しましょう。
産業廃棄物
産業廃棄物とは廃棄物処理法で規定された20種類の廃棄物のことをいいます。産業廃棄物の種類は大きく「あらゆる事業活動に伴うもの」と「特定の事業活動に伴うもの」に区分されます。特定の事業活動に伴う廃棄物は業界で業種限定と言われ、同じ種類の廃棄物だとしても排出元の違いで「産業廃棄物」or「一般廃棄物」に該当します。
例えば建設業許可の造園工事(庭園、公園、緑地等の苑地を築造する工事)で排出された木くずは「産業廃棄物」になりますが、一方で造園屋さん(主として請負で築庭、庭園樹の植樹、庭園・花壇の手入れなどを行う)から排出された木くずは業種限定に該当しないので「一般廃棄物」になります。
ここがかなりややこしいので、廃棄物処理会社の従業員でも完璧に把握できている人は中々いないんじゃないでしょうか。
ちなみに、産業廃棄物の処理責任は事業者にあり、政令で定める収集、運搬及び処分に関する基準に従わなければなりません。
一般廃棄物
ここまで説明してようやく「一般廃棄物」の説明ができるのですが、ややこしいことに一般廃棄物はさらに「事業系一般廃棄物」と「家庭系一般廃棄物」に分別されます。
簡単に説明すると、事業活動に伴って排出された産業廃棄物以外のごみを「事業系一般廃棄物」、皆さんの家庭から排出されたごみを「家庭系一般廃棄物」といいます。
これだけだと別にややこしくないじゃん?と思いがちですが、実例を出すと本当に訳がわからなくなります。自治体によってこの判別が異なる問題、代表的な例に「お弁当ごみ」があります。
「お弁当ごみ」問題!自治体によって異なるその見解
皆さん、「職場で従業員が食べたコンビニ弁当などのプラ容器」これは産業廃棄物だと思いますか?それとも事業系一般廃棄物でしょうか?
廃棄物の種類としては「廃プラスチック類」に該当しますが、考え方としては
①従業員の飲食は事業活動なのか?
①従業員の飲食は事業活動なのか?
従業員の飲食が事業活動に該当するかは、単純に昼食時間に対する解釈の問題です。
「就業時間中は昼食中だとしても仕事の一環だ!」と考えれば、産業廃棄物であり、
「休憩時間なんだから私的な活動でしょ。」と考えれば、一般廃棄物です。
この解釈だけでも自治体によって判別が異なります。
②自治体の処理施設が「あわせ産廃」を受け入れているか
「あわせ産廃」とは、市町村が例外的に産業廃棄物を処理できる制度です。
(事業者及び地方公共団体の処理)第十一条(中略)2 市町村は、単独に又は共同して、一般廃棄物とあわせて処理することができる産業廃棄物その他市町村が処理することが必要であると認める産業廃棄物の処理をその事務として行なうことができる。
産業廃棄物をあわせ産廃として自治体が受け入れると、手続き上は一般廃棄物と同じ扱いになります。根本的には産業廃棄物であることに変わりはありませんが、実質、一般廃棄物として扱ってもいいよってことです。
さらに複雑なことを言うと、その弁当ごみを家に持ち帰ってごみ箱に捨てたとしましょう。それは家庭系一般廃棄物として自治体の清掃事業に回収され処理されます。
同じ弁当ごみなのに、住んでいる地域によって産業廃棄物、事業系一般廃棄物、家庭系一般廃棄物の3区分に該当する廃棄物になりました。
皆さんのお住いの地域はどう管理されているでしょうか。一度お調べするのも面白いかと思います。
では、また。